LiLy プロフィール
コラムニスト/作家
1981年11月21日生まれ
神奈川県出身
上智大学外国語学部卒
2004年 J-WAVE
ナビゲーターオーディション優勝
LiLy リアル
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優しい言葉と天使の笑顔



記事を読んで、
泣きながら電話をくれた友達がたくさんいる。
妊娠中で、
どうしても記事が読めなかったという友達もいる。

私も、
いろいろと考えて、
考えれば考えるほど、
いろんなことが悲しすぎて、
泣きやむことができない。
気持ちが、沈んでしまっている。

この事件から、
今も続いている児童虐待の悲劇から、
目を反らしては、絶対にいけない。

でも、
真正面から見つめることで
自分の精神をやられてしまえば、
それは本末転倒だ。


              *

自分の命に
かえてでも
守りたいと思う
誰より愛おしい
我が子を抱きながら、
自分と同じ母親が
子供を殺したという
ニュースを聞くのは、
耐えがたい苦しみだ。

理解しがたいからこそ、
気が、おかしくなってしまいそうだ。

でも、

私の想像力が、私を作家にしてくれた。
神さまが、私をお母さんにしてくれた。

今、私が、想像すべきは、
自分が一番理解できないと
思っている母親の気持ち。

そう思って、記事を書いた。

記事の中の言葉を
繰り返すことに
なってしまうかもしれないけれど、

私は、責任をもって
言葉を綴っているつもりだ。
だから、もう一度、同じことを
表現方法を変えて、伝えたい。


私だってもちろん、
彼女のしたことは許せない。
ほんとうに、どうして?って思う。

女として母として、
同じ人間として、
許せるわけがない凶悪な犯罪だ。


それを前提としたうえで、
この絶対に、
繰り返されてはいけない
犯罪を、どうにか防ぐことはできないのか。

それを、考えずにはいられない。

どんなに大きな心をもとうと頑張ったって、
結果としてこんなことをしてしまった彼女に
かけるべき「優しい言葉」は見当たらないよ。

でも、
その中で、わざと
あのような文章を使って書いたのは、

こんなことになってしまいそうな状態にいる
お母さんたちに対しては、
「優しい言葉」をかけてあげたいと心から思うから。

心ない批判ではなく
理解しようという気持ちと
最大限の想像力を持って、
思いやりの言葉を、
救いの手を、
さしだすべきだって
何度でも、何度でも、
私は声を大にして言いたい。
これからも、言い続ける。

軽蔑しないから。
理解したいって思う。
たすけたいって思う。

だから、

ほんのちょっとの勇気をもって、
悩みを口にすることを、
相談することを、恐れないで。


だって、
今回の事件に限らず、
自分だって、誰だって、いつ、
ダークサイドに足をとられて
その中に沈んでしまうか分からない。

その時に、
弱り切った心でも、
本音をスルリと吐き出せるような
友達が、家族が、誰かが、私は欲しいと思う。

だから、自分も誰かにとっての
そういう人でありたいと思う。

もちろん、
それだけじゃ解決できない
根の深い問題だけど、
まず、
身の周りにいる人を、ひとりひとりが
精一杯の想像力を持って、
理解しようとすることは、できるかも。

そして、私は、
作家として、
これからも、
私なりのやり方で、
恋愛に、SEXに、
妊娠に、
出産に、育児に、
悩んでいる読者を
言葉で支えて
いきたいと
改めて、強く思う。

命の尊さを
生きることの喜びを、
叫び続けていきたい。

もちろんそれだけじゃ足りないのは分かってる。
性教育の一からの見直しに、養子縁組システムの改善……。
今の現状に対して、疑問に思うことはいくらだってある。

でもまずは、私に、できるところから。

言葉は人を傷つけてしまう凶器にもなるけれど、
同じくらいの威力を持って、人を救うこともできる。

私は、言葉が持つ力を、信じている。

天国にいる人にさえ、
届くかもしれないって思っている。

亡くなってしまった
子供たちに寄り添う心で、
書いた最後の文章は、私の心からの言葉。

子供たちにむかって、
あなたのお母さんは悪魔だったんだ、
とは、私は、どうしても言いたくない。

こんなことになってしまったけれど、
あなたのお母さんがあなたに名前をつけた時、
きっと愛を込めて可愛い名前を選んだんだよ。

こんなことになって、
本当にごめんねって、何度だってあやまりたい。
何度あやまったって、足りないくらいの気持ちだ。

ほんとうにかわいそうで、
自分の無力さが、
ほんとうに申し訳ない。

だから、ね、分かるよ。

彼女が、
生まれながらの悪魔だった
と思いたい気持ちは痛いほど分かる。

でも私は、
彼女も、生まれた時は天使だった、
一度は、子供たちを愛したのだと、
そうであってほしいと、
どうしても、信じたい……。

真実は、そのどちらでも
ないのかも、わからない、

でも、
それらは
反対の意見のようで、
本当はどちらも
この悲劇に胸を心底痛め、
どこかに『救い』を求めたい。

その想い、ひとつなんだよね。

どこかに救いをもとめなめれば、
自分がおかしくなってしまいそうだから……。

私自身、
記事を書く前も、書いてからも、今も
いろんなことを考えれば考えるほど、
事件のことが頭から離れず、
かなり精神的にまいってしまっている。

母親の胸の痛みは、子供に伝わる。
私が泣いているのを感じたのかな。
まだ6カ月の息子が、泣く私に、
ニコッと、大きな笑顔をくれた。

ねぇ、本当に、
キレイごとなんかじゃなく、
真実として、子供は、天使だよ。

自分の子供だけじゃない、
すべての子供は天使だよ。

純粋で、美しく、汚れない天使。

テレビで報道されるニュースは
悲劇で満ちているけれど、
世の中には、その何百倍もの、
天使たちの笑顔で、あふれている。

私たちは、
そのことも、
忘れちゃいけない。

世の中は、
メディアが煽るほどには
腐ってなんかいない。
そう、私は信じている。

さぁ、前を向こう。


目を反らさず、
でも考えすぎず、
一度、深呼吸。


大人たちの笑顔なくして
天使たちの笑顔はないのだから。


今日も、空が青い。
美しい、真夏の空。

そんな
同じ空の下にいる、
あなたの一日が、


今日もどうか、
笑顔であふれたものに、
なりますように。




| 11:28 | comments(120) | - | Posted by : LiLy

大阪の事件について

「もー疲れた。離婚して、子供二人いて、
 やりたくもない風俗で働いて、
 もうムリ。限界。
 ぜんぶから逃げちゃいたい。
 ぶっちゃけ、子供さえいなければって思っちゃう。
 もうただ、何も考えずに子供捨てて逃げたいんだよね。
 ねぇ、私ホスト行くから、子供たち、しばらく預かってくれない?」

 もし、もしも彼女が、誰かに、
 そう言うことができていたら、
 こんなことにならなかったんじゃないか。

 でも、もしそんなことを口にすれば、

 「あんた母親でしょ?サイテー」

 って、言われることが、思われることが、
 誰よりも分かっていたから、彼女は誰にも、
 そんな本音を言うことができなかったんじゃないだろうか。


 

 
               *


 今回の大阪の事件のことが、ここ数日、頭から離れない。
亡くなってしまった二人の子供たちが、あまりにもかわいそうで、
考えば考えるほど、自分の精神やられてしまいそうで、
それこそ逃げてしまいたいくらいなのに、
頭から胸から離れてくれなくて、夢にまでみてしまった。
 
 なにが一番怖い? 

 それは、彼女が、
 血も涙もない、悪魔のような人間だとは思えないことだ。

 彼女が書いた、数年前のブログには、
 子供たちに対する愛情が綴られていた。
 彼女がウソを書いていたとは、思えない。
 きっと、その時は、本当に愛していたんだと思う、心から…。

 彼女は、私たちと、私と、そう変わらない、
 フツウの女の子だったように、思えてならない。
 
 自分の子供たちを大事に思う、
 私たちと同じ、お母さんだったように思えてならない。

 だから、怖くなる。

 歯車が、どこでどうズレてしまうと、
 こんなことに、なってしまうのか…。
 
 彼女自身も、
 両親にネグレクトされていた過去があるという。
 もちろんそれも、深く、関係しているとは思うけれど、
 
 彼女の過去のブログ記事を読む限り、
 彼女は、一度は、自分の力で、自分が育った環境とは
 違うカタチの幸せを手に入れようと、
 誠実な愛を子供たちに与えようと、頑張っていた様子だった。

 それなのにどうして……。

 負の連鎖を断ち切ることができない、
 幸せの格差が広がってゆく社会が、ここにある。

 だれよりも罪のない、赤ちゃんが次々と犠牲になってゆく。 
 

                *
 
 「こんなことになるなら、
  私が、預かってあげたかったくらいだよ」

  って、今になって、誰もが思う。私も思う。

 でも、こんなことになる前なら? 
 冒頭のセリフを、誰かに言われたら、
 誰が、彼女を一切批判することなく、
 喜んで子供たちを、預かっただろうか。
 
 それが分かっていたから、
 誰かに批判されるリスクを負うだけの
 元気が残っていなかった彼女は、

 黙って、逃げ出したんじゃないか。
 それが、子供たちを殺すことになると、
 分かっていたのに……。

 書いているだけで、涙がでくる。

 彼女がしたことは、許されることじゃない。
 許せないって思う。どうしてって思う。

 でも、責められるべきは、彼女だけじゃない。

 子供たちの父親は? 家族は? 友達は?
 職場の人は? 近所の人は? 警察は? 
 そして、私たちは? 私は?

 今だって、私たちのすぐ近くにある
 ドアの1枚向こうで、
 たくさんの子供たちが、泣いている。

 たすけたいって、
 誰もが思っているはずなんだ。
 
 問題は山積みで、私たちに、私に、
 できることは限られているかもしれない。

 でも、今回のことで、
 改めて思ったことが、ひとつある。 

 他人の妊娠や、育児に関しての、
 心ない「批判」をやめるべきだ。

 たとえば、
  私が妊娠中いろんなサイトをみている中で、 
 「イライラして、子供を殴ってしまう」と
 掲示板で相談しているお母さんがいた。

 彼女に対するコメントは、

 サイテーだサイテーだ、
 お前に母親を名乗る資格はない、
 なんていう、心ないバッシングで荒れていた。

  それって、ひどい。
  あまりに、ひどすぎる。

  どんな気持ちで、
  そのお母さんがそれを書き込んだのか。
  妊娠出産を経てはじまる、育児。
  ただでさえアンバランスな
  彼女の精神状態は、おかまいなしで、
  「自分は正しい」ということだけに
  酔っ払った、他人による心ない批判。

  でもこれが、
  お母さんのSOSに対する、今の世の中の反応だ。
  
 そんなんじゃ、怖くって、
 もう何も口に出せなくなるよね。
 相談なんて、絶対にできなくなる。

 妊娠中、育児中は、ただでさえ心が弱くなる。

 「私はいい母親じゃないのかもしれない」
 と悩んでいる中で、その悩みを口にして、
 「サイテーな母親だ」
 と誰かに言われるリスクを考えたら

 誰だって、本音を、誰にも、言えなくなる。
 

 誰かに言えば、
 たったそれだけでも、
 救われるかもしれないのに。
 
 ううん、

 誰かに言うことが、
 たったひとつの、
 救われるチャンスなのに。

 彼女の「SOSに気づかなかった」んじゃない。
 彼女が「SOSを出せなかった」世の中なんだ。

 彼女が職場の人に言っていた
 「死にたい」なんて、SOSにはならないよ。
 
 そんな、使い古された、遠回しな本音じゃ、伝わらない。
 「子供を捨てたいと思っている」こそ、SOSなんだよ。

 でも、
 そう思っていても、それが心からのSOSでも、
 それを口に出せる人は、いないんじゃないかな……。

 これは、『空とシュウ』の中でも
 主人公に感じさせるカタチで書いたけど、
 
 「子供おろしちった」って、
 まるで軽いことのように言ってる女の子が、
 その裏で、涙をながさなかったわけがないんだよ。
  
 その裏側まで考えずに、
 ただただ「サイテー」だと言うのは
 あまりにも、想像力がなさすぎる。

 それと、同じようなことだと思う。

 他人の問題を、
 自分に置き換えて考えるんじゃなくて
 自分を他人の立場に置き換えて、
 その人の気持ちを想像してみること。
 
 それが大切だって思う。


                *

 
 世の中は、
 母親に対してひどく厳しい。
 なぜなら、
 子供を育てるということは、
 それほどまでに責任重大な、
 なによりも重要な任務だから。

 でもさ、
 だったらさ、
 だからこそ、さ、

 母親だけに、
 そんな大きな任務を、
 まかせっきりにするのはおかしいよ。
 
 黙ってしまった母親のSOSの代わりに
 響き渡る、無力な赤ちゃんたちの、悲鳴。
 
 それは、
 私たちの、社会全体の、責任だ。


 あまりに残酷なニュースに、日々、耳をふさぎたくなる。
 でも、私たちはそこから、絶対に目を、反らしちゃいけない。

  
 桜子ちゃんと、楓ちゃん。

 かわいい名前を
 あなたにつけた
 お母さんを、
 あなたたちを、

 だれも
 守ることができなくて、
 ほんとうにごめんなさい。


 心から、ご冥福をお祈りします。

 
 
 


  
 
 


| 23:48 | comments(450) | - | Posted by : LiLy

キス







赤ちゃんと、こんなにも、ベッタリ
過ごせる、蜜月な日々は、人生で
たったの、何年くらいなんだろう。

きっと私の心の準備ができぬ間に
赤ちゃんはどんどん大きくなって
私の手から、離れちゃうんだよね。

16歳の私が、フロリダに留学する日、
お母さんは寂しくって取り乱してた。
それを見て「…はっ?」って思った
ことを、よーく覚えてる。(苦笑)。

27歳の私が、「結婚するから」って
言い放った時も、お母さんはとても
寂しくって、クレイジーになってた。
それを見て「…はっ?」って言った
のは、つい、1年半前のこと。(笑)。


自立。


子供から大人になって親元を離れ、
自分の人生を自分の足で歩きだす。

それは何よりも、
大切なことだって思う。

可愛い子には旅をさせろ。

言葉にならないほど寂しくて
死ぬほど心配だっただろうに
私を留学にだしてくれた両親
に、今、とても感謝してる。

あの2年間が、
私にくれたものは、
とてつもなく大きいから。

まだ、足ふまずもないそのキレイな足で、
まだ、自分の力で一歩もあるいたことのない
その足で、あなたはどんな、人生を、歩いていくんだろ。

想像するとワクワクするよ。
だって、きっと、私の想像なんかじゃ追いつけない、
あなたの人生が、あなたのことを、待っているんだから。

神さまからお預かりしている、
その大切な命を、なによりも大事に、守っていくよ。

あなたが大人になった時に、あなたの人生に役立つかもしれない、
知恵や教養、経験を、できるかぎりプレゼントしたいって思うよ。


でも、

今は、

あなたは、

赤ちゃん。


私たちを選んできてくれた、
私たちの可愛い可愛いベイビーボーイ。


ゆっくり、

どんどん、

おおきくなって。

ゆっくり……







































5 Month Old.

You,

FullFill My Heart.






| 22:43 | comments(66) | - | Posted by : LiLy

ジダイ 〜THE REALITY SHOW〜








今月1日に創刊した、
『THE REALITY SHOW』。

ぜったいに手に入れたくて、
RESTIRまでベビーカーを飛ばした。

      *


デジタル化の大波が押し寄せる中、
これから「出版業界」はどのように
カタチを変えて、進化してゆくのだろう。

私の、今、一番の関心ごと。

指に触れる紙の質感、
ページをめくる音……。
「本」という物体がくれる
すべてのジカンを愛してる。

でも、私は、

電子書籍にも大賛成で、
早くわたしの作品も
iPhoneアプリ化して
発売できないのかな、なんて思って
編集者に問い合わせてしまうくらい。

デジタル化の一番のメリットはやっぱり、
なんといっても、アクセスしやすいこと。

本屋さんに行くまでに、
または行っても在庫がなかったりで、
そのあいだに、

一度は作品に
興味を持ってくれた
私の読者になりうる方たちを多く、
失ってしまっていると思うと、

あぁーーーーー!!!
って、頭を掻きむしりたい気持ちになる。


『すべてのひと』に、
読んでほしいとは
まったく思っていない。

でも、一度『読みたい』と思ってくれた人には、
是非、ううん、絶対に読んでみてもらいたいって思う。

だって、情報にあふれるこのジダイの中で、
その人のアンテナに私の作品が引っかかってくれた。
その時点で、もうこれは、なにかの縁だから。

まったくの他人だったその人と、私は、
もしかしたら、そこから、作品を通じて
深いつながりを持てる関係になるかもしれない。

だから、極端なはなし、
立ち読みでもいいから、
読んで欲しいって、本気で思う。

でも、ここも難しい。

そこにきちんとお金も発生して
ビジネスとして成り立たなくなれば、
作家という職業も、出版業界も、
まるで存在していたことが
幻想だったかのように消えてしまう。

あ。

でも本当に、
これから一度、
消えるのかもしれない。

書き手の
著名と無名の境目がなくなり、
一度すべてがリセットされる気がする。

だって、
ブログができたことで
すべての人がライターとなり、

ツイッターが、

個人と個人のあいだに入るもの、
いわゆる広告代理店や出版社の
代わりの役割すら果たすようになった。

そして、
なんといっても、
両方とも、無料。

これからは、
現在ネット上で
無料な媒体やシステムの有料化が、
すこしずつ、始まっていくだろう。

その時、
文章で食える人間とそうでない人間が
また一から、分かれ、そこでごっそりと
著名と無名が入れ替わるような気がする。

ううん、違うな。
今までそこにピシッと
引かれていた太い線が、
消えてゆくと思う。

とても、ニュートラルになる。

これまで、
無名の書き手による
2chやブログでの文章が書籍化されて
新しい大ヒット作を生んだけど、

これからはキンドルが、
誰でも自分の作品を電子書籍化して
販売することを可能にしてくれる。


すばらしいことだよ!
誰もにチャンスがある!

本当にオモシロイ文章/物語が、
リアルな人々の目によって厳選され、
電子書籍としてヒットした作品のみが、
「本」としても発売されることになるかもしれない。

となると、
書籍化ハードルは、
今よりもグンとあがる。

それは同時に、
「本」の価値もあげてくれる。

「本」はわざわざ紙を使って、
カタチに残す、今よりもさらに贅沢なものとなる。

そうなれば、
本の装丁も、今はいろんな規定があって
斬新なデザイン(カタチ)を取り入れにくいのが現状だけど
そこも必然的に変わって、もっともっと自由になっていくだろう。

それこそ、丸いカタチをした本を、
つくることができるかもしれない。
想像しているだけで、ワクワクする。

だからこそ、作品を、
「電子書籍」と「本」、その両方で
発表することができる「作家」としての
生き残りに、サバイバルに、ものすごく燃える。

だってこれから、ますますおもしろいジダイだもん。
その中に、どんどん新しい作品つくって、発表していきたい。


いい作品を書く。
もちろんそれが何より大事。
でも、それだけではダメだ。

なにを、
どういうかたちで、
発信してゆくことが、
LiLyにとって、
ベストなのだろうか。

そして、これからは
どんな新しいカタチの媒体を、
つくってゆけばいいんだろうか。


うーん、うーん、うーん。。。


            *












そんな中、

「紙に綴るブログ」という、
 とても贅沢なひとつのカタチを、
『The Reality Show』が提案してくれた。


=====================

The Reality Showは、

グローバル化と情報過多の時代において
カルチャーとアイデンティティを称え、

パーソナルスタイルと
クリエーション、
テリテージを支持する。

時代を映す一方で、それをも超越していく。

また、触れて楽しむ、
時代を超えて楽しむことのできる本の特徴と、

カット・アンド・ペーストという
インターネットカルチャーの側面を併せ持つ。

ストリースとスタイルの
ファッションポートレイト。


紙に綴るブログ。


デイリーライフを表現。



Get Up-CLOSE.

GET PERSONAL.

GET REAL.

THE REALTY SHOW. 


           −TRCより抜粋ー

=====================


チーフエディターTIFFANY GODOYと
アートディレクター米津智之/FEMMEによる、

日本から世界へ発信するファッションブック。

『広告収益に頼らない
 自由な表現の場』を目的に、1000部限定で、

自費出版というカタチで、ここに、あらわれた!

富永愛がクールに飾るカバーには、     
厚手の高級紙が使われている。

実はそれは
三つ折りにされた、大きな1枚のポスターで、
それを広げると、中に、ブックが入っている。


5人の「人」× 5人の「デザイナー」による、
ファッションブックが、5冊、入っている。








「人」。

そう、肩書きでくくれない5人。
著名と無名、でもくくれない5人。


中でも、
雑誌のストリートスナップで目立っていた彼らを
1か月かけて探しまくって、出演交渉をしたという
双子の兄弟の登場には、おどろいた!


美容学校を卒業したばかりの、
無名の彼らのこのカッコよさに、
負けてしまう著名なモデルも多いだろう。


そして、みて。
彼らにつけられた、この、タイトル。


『BEAUTY SCHOOL KNOCKOUTS』


とても「今」な人選力と表現力に、
それこそTHE REALITY SHOW KNOCKED ME OUT!

構成はとってもシンプル。写真と文章。
インタビューはすべて、英語と日本語。

ウィットに富んだ、リアルな英語、リアルな日本語。
私が英語の先生なら、絶対にこれを、授業の教材に使う。








『最も強い者が生き残るのではなく、
最も賢い者が生き延びるでもない。
唯一生き残るのは、変化できる者である』


         ーチャールズ・ダーウィン 




流されることがない、
ジブンの中の1本の軸を基点に、
自由自在にカタチを変えて、進化してゆきたい。

流れてゆく、ジダイと、共に、おもいっきり、楽しみながら。


| 23:42 | comments(76) | - | Posted by : LiLy

ジカン













たしかあれは、2002年。二十歳の初夏。


はじめて『Sex And The City』を観た。
はじめて一人暮らしした、高円寺の部屋のベッドの上で。

大学の帰り、バイト前の空き時間。

近所のレンタルビデオショップで、
「へぇ!ライターが主人公なんだ、私もライター(駆け出し)」
と手にとったそれは、まだDVDじゃなくて、VIDEOだった。

すぐにハマって、
ぜんぶそろえて、

今まで住んだすべての部屋で、
何度も何度も全エピソードを繰り返し観てた。

今わたしはこんな状況だから、ビッグとキャリーのあの回を。
エイダンとの別れのシーン、今なら気持ちがもっと分かる、もういちど。
サマンサが言ってたことってそういうことか、このシーズン見返そう。
ミランダっておもしろい、一番人間くさくて大好きだ、そう、この場面。
シャーロット、そのピンクのドレス、あぁとっても似合ってる。また涙。


そんな感じで、選曲ないし選エピソードしては、観返した。
セリフももうほとんど覚えちゃってるかも、ってそのくらい。

2000年代を、激動の20代を、このドラマと共に。
           そう言ったって、過言じゃないの。









そうして、2010年。二十八の初夏。


Movie版『Sex And The City2』。
試写会に呼ばれて、行ってきました。

ドレスコードはCarrie。

おなじくSATCマニアの
SLYのMizukiちゃんとと。

女友達ふたりで外出なんて、
出産以来。
メイクしている時から
ドキドキしちゃったよ。

映画がついに始まって、

シャーロットとミランダの
涙ながらの本音ママトークが
今の私にドストライクで、
鼻水まででてきちゃって、、
となりでMizukiも
泣いてるのが分かって、
余計にジーンときていた、

ら、その数分後、

うちのMizukiを見ててくれてる
My Momからの数回の着信が。。。

「大丈夫よ」ってメールが着てもまだ、
私はソワソワソワソワしっぱなし。。。

というのも、
夕方〜夜にかけての
眠いジカンに
私がいないと
私が帰ってくるまで
泣き続けるBaby Boy。

ほとんど24時間
毎日私とベッタリだから
なのかもしれないけど、
その泣き方ったら
ハンパじゃなくて、
My momもぐったり。。。
私はいつもダッシュHOME。

数時間でこれじゃあ、
私仕事にならないよぉと
でも早く早く抱きしめてあげたいよぉと
私まで泣きそうなキモチになりながら。。

この時も、ビックリした。だって、

「あぁ、
 大好きなSATCを観ながら、
 はやくエンディングロールに…
 と焦る日がくるなんて!!!!!」


でもね、
映画が終わったら、
Mizukiちゃんも
「息子が熱だして、
ママからメールが!!!」
って私と同じように焦っていて、

ふたりで急いでダッシュHOME。
だからふたりでとった写真もないの。


あらあら、と思ったけど、でも、
ジカンの流れを感じて、
私は、そこに、妙な感動を覚えたよ。






家に帰ったら、
Baby Boyは
眠っていて、
Momが帰り際、
「これ、あげる」
って、これくれた。

「NYにいたときに、
お父さんがプレゼントして
くれたものだから、
あなたにあげる」って。

母という
ひとりの女の中に流れる
彼女のジカン。


NYに家族で
住んでいたあの頃、
父と母は
男と女として
激動の時期を
過ごしていたことを
誰よりも知っているから

なおさら、グッときた。


ジカンという宝が
つまっている物こそ、
宝物。

この指輪が
記憶する
あなたの愛の
エネルギーを、
ありがとう。

大切にするよ。


                 *


二十五の秋に
デビュー作を出版して、
それから三年半。
十冊の本を出して、
結婚して母にもなった。

いっぱい笑った。
いっぱい泣いた。
すごく頑張った。
いっぱい笑ってる。
いっぱい泣いてる。
すごく頑張ってる。


だからね、








記念になるバッグ。
ベビーカー
押しながら
使える、
斜めがけバッグを
ずっと探してた。


夏至だった昨日、
boyと
お散歩していて、
やっとみつけた。



一目惚れ。




「どう?」

って見せたら、
キラキラの
スパンコールが
気になったのか、
両手をのばした
Baby Boy。

「これだ」。


二十五の時のFENDIバッグに続く、
わたしの二個目のマイバッグ。

By ANGEL JACKSON。
名前もピッタリ。







私のジカンをたっぷり含ませて
いつか、ダレカに、あげるんだ。








| 01:12 | comments(157) | - | Posted by : LiLy

mama girl












『母親になったら女は変わる』。

世の中でそう言われすぎているから、
『ぜってーかわんねーし』
ってちょっとムキになるくらい思ってた。

でも、
ちょっと興味があった。

子供が生まれたら、
ほんとうに私は変わるの?
なら私は、どう変わるんだろう?

でも『今までの自分』を
見失うほどに変わるのは、
絶対イヤだな。コワイな。

そうよ。

今までの私に『母』という
あたらしい引き出しができる。

それだけのこと。

いい『母ちゃん』のぶぶんと
『エロい女』のぶぶんを
上手に分けて両立するわ。

そんな、
目標を私は自分に掲げていた。

(※『ママ』じゃなくて『母ちゃん』と
 自分を呼ぶことで自分をいろんな意味で
 抑制し、いい母親になりたいって思ってた)


子供の前でも
『今までの自分』
ではダメだから、
これからできるだろう
『母親としての自分』
と器用に、共存、しなくっちゃって。

ーーーで、BabyBoy誕生!

あら。あらま。
あれれれれれ。

もうね、
BabyBoyしか目に入らないの。
頭も、心も、Boyでいっぱい。

Oh Shit!

『エロい女』のぶぶんが、
完全に『母性』に呑みこまれた!!!!!!!


産後1か月。

あぁ、あいつ?あのエロいの?
あいつなら海外に引っ越してったよ。


産後2ヵ月。

あ、あいつね。
たま〜に遊びにくるよ〜。
すぐ帰るけどね〜。

産後3ヶ月。

あ、あのこね、
昨日きてたけどもう帰ったよ?

産後4カ月。

なんかそろそろ
帰国するかもって電話あったよ。


ーーーーという感じw


母性って、本能って、
本当にすごいなぁって
全身で感じたよ。

Its a force Bigger than me.

今までの自分をすっぽりと
覆ってしまうほどの
大きな大きなエネルギーが
わたしの中に生まれて、

それが

生まれたばかりの赤ちゃんを
包みこんではまるごと愛すの。

Its almost like a magic.

ダーリンと出会って
妊娠しても、
Boyが実際に生まれるまで
私は、The『女』だった。

いい意味でも
悪い意味でも。
恋をすると『ド女』に、
なっちゃうからね。

でも、

A Baby boy
came into my life
and I became A Mama girl...

『女』から一気に『母ちゃん』は、
やっぱりムリで、そこまでは飛べなくて、

でも『女』から『ママ』へと突然の変化に
自分でもやっぱり戸惑っていて、
なにかあるごとに、子供みたいに泣いちゃった。

『ママ』になったのに、
『女』から『女の子』へ逆戻りしたような感覚だった。

だから、『ママガール』。
『女』がすっぽり抜けてるのw

でもさ、

神さまってすごいね。
だって、
今までの自分を
呑みこんでしまうほどの
こんなにもおおきな愛が
うまれなきゃ、
24時間体制の育児、できないもんね。

この母性愛のおかげで、

どんなに眠くても
どんなに疲れても

子供のお世話をすることで

心がすり減るどころか、
心が満たされてゆくんだもん。

それってふしぎ。

Its just so, so beautiful.


ーーーそして、






Baby Boy 
3ヶ月〜4カ月。

新生児の時と比べたら
ものすごーく
寝てくれるようになったので
私たちもとってもラクになりました。


ヘア&ネイルにC-Love
 マツエクつけにEye Magicへ。

おひさしぶりすぎて、泣けました。

ラインストーン、見えるかな?


右手の薬指のMは、息子。
左手の薬指のMは、夫。


Mama Girl、しあわせです。







最近やっと

「女」も戻ってきたかな。






Darling Boy、喜んでます。(笑)。












★☆ P.S ★☆


仕事も、
全体の量をペースダウンして、
Boyが寝ているあいだにやっています。


☆ 毎週月曜更新 連載小説『こぼれそうな唇』
☆ 毎週金曜更新 恋愛エッセイ『おとこのつうしんぼ』
☆ 月1更新 マタニティエッセイ『Baby Talk with LiLy』(モバイルonly有料)
☆ 毎月7日発売 雑誌『GLAMOROUS』にて音楽エッセイ連載中

★ 夏〜秋には、短編小説集『Crazy Baby』幻冬舎より発売予定。

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たまにこんな
スタイルでも書くので、


Baby Boyも、読んでます。(笑)。









| 10:46 | comments(108) | - | Posted by : LiLy

母へ






キャリアの足場を
かためてから
子供を産みたい。

夢に
焦ることなく、
たのしく
育児がしたい。

ずっとそう思ってきた。

お母さんになる、
という最大の夢がかなう
『その時』を心待ちにしながら、
とにかく『今は仕事』とがんばってきた。

そして、ついに、
キャリアの足場がかたまりはじめ、
『その時』がやってきた。

可愛い赤ちゃんが、
やってきてくれた!

やった!!!!

と思っていたら、
ひとつ、誤算が……。

キャリアは、
足場がかたまってきた
ここからが、最高におもしろいのだ。

今まではどんなに自分から企画を立てても
相手にしてもらえなかったような媒体から、
次々と大きな仕事のオファーがかかる。

嬉しい!
やりたい!

そして次のレベルへと
自分のキャリアをもっていきたい!


しかし、子育て。


ここにもまた誤算があった……。

思っていたよりも大変だった、
ということももちろんだけど、
それ以上に
想像していた何百倍も、何千倍も、
息子が、あぁ、あぁ、愛しすぎる!

区役所で、保育園の説明を聞いているだけで
「ダメ、まだこんなに小さいのに……」と
涙してしまうほど、
息子を自分の手から離せなくなってしまった。

(その辛さが分かるからこそ、
そうして働くママたち、働かざるを得ない環境にいる
ママたちの選択は本当にリスペクトします)


あぁ、働きざかりと子育てざかりが
ピッタリビックリ重なった!!!!!


その事実には
ちょっと唖然としたけれど、

私の場合は在宅でできる仕事だし、
子育てと仕事、両方できるかぎり
ベストを尽くして頑張ってみよう!

ーーそう思って
やってみたら、
これまた意外。

ちょっとビックリするくらい大変だったけど
ちょっと笑っちゃうくらい楽しかった!!!

アドレナリンがでまくっていたから、
ヘトヘトに疲れていてもドコマデモ頑張れた。

子育てと仕事を両立するにはこれくらい
やんなきゃいけないんだろうなって思っていたし、

どこまでが「頑張り」で、
どこからが「無理している」になるのか
その境界線が分からなかった。

ただただ、
あ〜〜〜疲れた。でも、充実してるぜ、最高♪
ってな気分だった……。

























そんな日々が約2ヵ月。


息子と2ヵ月違いで
同じ病院で男の子を出産した
Velnicaのかなちゃんから電話がかかってきた。

「ねぇ!リリ〜ちゃ〜ん!!
 お母さんにきてもらっていた1か月が終わって、
 仕事復帰ってなったら、子育てと仕事の両立、
 めっちゃくちゃ大変だってことに気づいたよ!
 ほんと凄いね、リリ〜ちゃん!! 
 両立、よくできるね! ほんと尊敬する!!!!!」

「あ、かなちゃん? 私、今、入院してる……」

「っ!!!!!!!」

「ア、アハハ……(乾笑)」


連載とは他に舞い込んできた
大きな仕事の打ち合わせの後、
風邪かな? と思って
いそいでベッドにもぐりこんだ。

翌日には熱が40度近くまであがり、
数日たっても熱は下がらず、
頭が割れるように痛い。

二度目の救急外来で
髄膜炎と診断され、
そのまま、まさかの入院。

大きな仕事も
泣く泣くキャンセルし、
連載も休止。

たくさんの方に
迷惑をかけてしまった。

(関係者のみなさま、
 本当に申し訳ありませんでした。
 連載を楽しみにしてくださっていた
 読者の方々も、ごめんなさい!!)

痛み止めが切れた瞬間に
口もきけなくなるほどの高熱と頭痛。

一日に14種類もの点滴をして、
脊髄に注射、血液検査、
MRIにCTに……という入院生活の中で、

なによりも、
なによりも辛かったのは、

息子と
離れ離れになってしまったこと。

心が、ちぎれそうだった。

自分の体の一部をどこかに
置いてきてしまったかのような
違和感がずっとあって、
心がずっとザワザワしていて、
一日中涙がとまらなかった。

情けなくて、
悔しくて、
悲しかった。

毎日毎日抱っこして
べったりとくっついて
育児って大変だけど
本当に幸せだなぁって
思っていた過去の私は、

まさか
息子の3ヶ月記念日に、
一緒にいられなくなるなんて、
想像すらしていなかった。

その夜は、
声をだすのも我慢できないくらい
病院のベッドの上ですすり泣いた。

お医者さんは、
髄膜炎は防ぐこともできない病気だから、
直接のキッカケというものはないですよ
と言ってくださったけれど、

でも、

産後、免疫が低下している
体を、もっと大事にするべきだった。









お医者さん、看護師さん、
薬剤師さん……。
たくさんの方々のおかげで、
私は病気から回復することができた。

退院が決まった時は、
飛び上がるくらい嬉しかった。

そして、

10日ぶりに会った息子。

私がいないあいだに
家族の愛情をたっぷりとうけて
またひとまわり大きくなっていた。

あぁ、背が伸びたね。
あぁ、お鼻ひっかいちゃったね。
あぁ、まつ毛がのびたね。




抱っこした時の彼の重みと、ほっぺたの柔らかさ。
お義母様が洗濯してくれた、彼のお洋服のいい香り。


一生わすれない。


息子へと泣けるほどの愛情と、
家族のきずなとあたたかさ。

息子の世話をしてくれた
「お母さん」たちの
(お義母さま、夫のお姉さま、母)
強さと優しさ、そして、たのもしさ。

私も彼女たちと同じ
「お母さん」になったのだ。

自分の健康に、
きちんと責任を持たなくてはいけない。








入院最後の夜、
夫に手紙を書いた。

仕事と子育て。

その両立に
大変さを感じているのは
彼だって同じ。

そして、
私がいないあいだ、
誰よりも頑張ってくれたのは彼だった。

ヘトヘトに疲れているのに、
「ミズキに会いたい」と
目を真っ赤にしている
私がさびしいだろうと、

毎日面会にきてくれた。

ほんとうに、ありがとう。
心から、感謝しているよ。












桜から緑へ。



入院していたあいだに、
季節がうつりかわっていた。


それをみて、改めて思った。
私の人生もうつりかわったのだ。

今までと同じ、は通用しない。
分かっていたつもりだったけれど、
今回、本当に思い知らされた。












自分のことだけ
考えていればよかった
私の青春は、終わったのだ。



今までの私から母へ。



その、

思っていた以上の大変さの中で、
子育てと仕事のバランスを手探りしながら、
頑張りすぎずに、頑張ってゆこう。



そして、


















この、

想像を絶する
幸福感を日々、

かみしめてゆこう。






| 08:11 | comments(100) | - | Posted by : LiLy

女優










             *

小さい頃から長いこと、
私の夢は、女優だった。

だってそりゃ、
女優こそ、女の、
花形職業だもの、当然よ。


それに
スクリーンの中で
イイ男と恋愛して
キスしまくれるなんて最高、
と小学生LiLyが思わないわけ
なかったわけで。

で、

時は流れて大人になって
私は女優ではなく作家になって
イイ男と恋して愛し合ったら
子供ができて母親になって

あらビックリ。

私の日々は、なんだか女優。


              *

baby boy は最近、
ハッキリ「私」を認識し始めた。

たとえばゲストに抱っこされて
ギャーギャー泣いてる時なんて、
涙目で私を見つめながら私の方に手を伸ばし、
私が抱っこすると、
ウソみたいにピタリと泣きやんじゃうの。

あの日も、私は、

そんな愛しすぎるboyを抱っこして
頬がニヤニヤやけちゃうくらい愛おしい
彼のむちむちホッペに、
チュッチュしながら至福のママタイムを
満喫していたんだ、

け、ど、そこから
4,5時間が経過して、

腕も腰も痛くなってきて、
乱れた髪は顔にバサバサ落ちてきた。
(両手ふさがりなので髪、かきあげられない!)

その時、思っちゃったよ。

ダリンも友達も
みんな仕事をしている
平日の午後。

あ、あ、あたし、
ひたすら歌うたいながら
家の中歩きまくって、
な、な、なにやってんだ……
し、し、し、仕事がしてぇ!!! 

男も女も育児も仕事も対等にって
やっぱそんなん理想論じゃん。
全然むりじゃん。アンフェアすぎる、と。

で、なんか気持ちがモヤモヤしちゃって
めったにつけないTVをつけてみたら、
卒業ソングランキングをやっていて、
レミオロメンの「3月9日」が流れてた。

一瞬にして、
気分がガラッと変わったのが分かった。

部屋の中でbabyboyを抱っこしている自分が、
突然、月9ドラマの中のママ役の女優に思えてきた。

(J-POPというジャンルは
日常を月9ドラマ化させるパワーが凄い!)

だって、
一瞬にして、私の心は、

「なんてステキな人生の中に
 立っているんだろう、今(ポッ)」状態。w

髪の毛、顔にかかったままなのに、
気分は、北川かわいこちゃんよ!w 

いつのまにかbabyboyは私の腕の中で
すやすや眠っていたんだけど、
またとっても幸せな気持ちに戻った私は
彼をまだまだ抱きしめていたくって、
「3月9日」口ずさみながら
部屋の中を歩きまくったわ。w

そうこうしていたら、
徹夜明けだったダリンが
babyboy用のおむつの入ったドンキ袋と
わたし用のサンドイッチ入ったコンビニ袋をさげて
仮眠をとりに帰ってきた。

彼は即効私にキスして、
それからbaby boyを抱っこして、
大人のベッドでふたりで寝はじめた。

手を、つなぎながら。

徹夜仕事と育児で睡眠不足のダリンは
すぐにグーグー眠りに落ちたんだけど、
寝ていたbabyboyはしばらくすると、
目をパチッとあけちゃった。

泣くかな?と思ってみていると、
ダリンと手をつないだまま、
寝ているダリンをずっとご機嫌で見つめてた。

私は、そんなふたりから、目がはなせなかった。

いったいなんなの、この素晴らしすぎる光景は。
この画にかいたような、しあわせすぎる午後は。

こんな空気が、この世界の中に、存在していたなんて。

youtubeから流れる「3月9日」。
わたしたち家族の、2010年3月10日の午後の記録。


               *


「ねぇねぇ、わたしのミジュミジュくん♪
 きをつけてね。とっても可愛いから、
 君、きをつけるんだよ。 
 だって、だって、
 そのホッペ、キスされちゃうかもしれないよ?

  チュッ!!! 
 
 あーー!ほらー!ママにされちゃったっ!!!」

そんなんやって
キャッキャキャッキャと遊んだ後で、

夜の公園で男に別れをつげたあとで、
駅までひとりで歩く、女のシーン。

スイッチは切り替わり、
自分でも驚くくらい
主人公の心情に入りこめて、
〆切前に連載小説の原稿が書けた。

作家は女優。

そのことに初めて気づいた、
2年前のある日のブログ記事
読み返してみて、改めて気づいた。

ほんとうにほんとうにほんとうに、
私は赤ちゃんが欲しかったってこと。

今の私のキャリアがあるのは、
過去の私の頑張りのおかげだってこと。

受け止めたよ。ありがとね。

今も私は、あの頃のあなたが走っていた道の
すこし先を、同じ気持ちで走っているよ。

書きたい衝動に突き動かされ、
書ける喜びに
胸がいっぱいになった瞬間があって、

新たに書き始めた、
短編小説『Birth』。

2010年3月21日、嵐明けの午前中。

育休もおちおちとっていられないほどに、
書くことを愛してしまっている、LiLyの記録。

                *

「女優がよく、
 言うじゃない? 
 離婚した理由として、


 『家庭に男は二人もいらなかった』


 その意味、今初めて、すっごいよく分かる…」

「うん。そうだね…」

 皿洗いのタイミングについて、の話し合いが
 こじれにこじれてひねくりかえりこんがらがってw
 8時間にも及んだ夫婦喧嘩エピローグの、夫婦の会話。

そして、

 「きっと私の女の部分と男の部分、それが今こうなっていて…(省略)」
 「そう、そうだと思うよ。で、俺の中の女の部分と…(省略)」

お互いの中にある男性的な部分、女性的な部分、
そしてそのバランス、相性について冷静に分析する、
喧嘩のあとの夫婦会話。w


こんなに合う人いない、と改めて思った瞬間。
私たち夫婦の、2010年3月22日、朝方の記録。


                 *

それから8時間後、
空は快晴。
桜開花のニュース。

babyboyのお散歩デビュー。
初めての三人家族デート。

baby抱っこしてるから、
わたしたち、もう、
恋人同士にはみえないね。

周りからみても
わたしたち、
夫婦なんだね。


くすぐったい視線。

泣きまくったあとの
目に、ジンときた。

「ねぇ、昨日、地獄だったよね」
「ほんとに。なのに、今日、天国だね」
「うん、ほんとに」
「あいしてるよ」
「あいしてる」




「今日もミズキ、かわいいね」




私たち三人家族の、最初の一歩。
2010年3月22日の記録。 

                 *

「他人を演じる
女優になりたいなんて信じられない。
自分として自分の人生をいきるだけで
精一杯じゃない。私はライターになりたい」

「何言ってるのよ。
時に他人を演じることで、
より深く人生を謳歌できるのよ、女優って。」

フロリダで過ごした高校時代、
17歳だったジェシカと私の会話。

今ハリウッドで女優になったジェシカと
今トウキョウで作家になった私はきっと、

当時から同じようなものを目指していて、
今も、同じような生き方をしているんだと思う。

自分の人生を生きる。
それだけで女は、だれもが女優。


アンフェアだよ、女として、生きるって。
でもその分の見返りは、ハンパじゃない。



今日はbabyboyの2ヵ月birthday。
そして、
アンナのbabyboyが、生まれた日。

2010年3月26日。わたしの記録。



                 *








3月がおわって4月がくるね。
卒業、入学、おめでとう!

みんなの新生活、

陰ながらだけど心から、
応援してるっ!!!!!

私もね、がんばるよ。








MAMA GIRL


1年生。


がんばってくよ! 






| 22:34 | comments(74) | - | Posted by : LiLy

スミマセンデシタ!









すみませんでした!
育児、ナメてました!!

(号泣!!)


           (『ママはテンパリスト』風)


いやぁ、里帰り中は、
母に本当にお世話になっていたので、

「たのしい、カワイイ、可愛い、かわいい、楽しい♪」

ばかりであまり気づいていませんでしたが、
こっちに帰ってきてから、

いや〜、なかなか、大変ね、子育って!(←今更だけど、本当に)
世のお母さんたち、改めて心から、大尊敬です!!!


BABY手元に置きながら、仕事復帰!という難題に
勝手に挑戦しているので、ペースを掴むまで
泣いた、泣いた、あー、泣きました。

もちろん今もまだ奮闘中!
これからも、もがきながら
やっていくんだと思います。

でもね、

夜中に、
オンギャーBOYを
ひたすら抱っこして
歌下手なのに
自作の子もり歌をうたって、
よしよしよしよし
繰り返していると、

わたしまでエーンて
泣きたくなることもあるけれど、

お母さんたち
みんな
こうして
髪の毛振り乱して、
赤ちゃん育ててきたんだなって
思うと、

疲れの涙が感動の涙に
いつのまにか変わっていたりするよ。


働くママも専業ママも、
どんなにステキで優雅にみえるママだって、

家の中ではみんなきっと、
自分ボロボロになりながら、
赤ちゃんに愛を、
プレゼントしているんだよ。


母ちゃんは、それでいいんだよ。


BABY BOY誕生から1か月半でもう
本3冊分くらいの、いろんな想いや気持ちが
頭の中、胸の中を、ぐるぐると駆け巡っています。

一瞬でも耳に入ってしまうだけで
ずっとずっと頭に残って、
何日もずっと、
うなされてしまいそうになる
幼児虐待のニュースについても。

育児中、
ママの精神状態が、子供にとってどんなに大切か。
世の中の、お母さんたちへのプレッシャー。

「いいお母さん」プレッシャーに加えて最近は、
「ママでもセクシー、ママでもオシャレ」
 プレッシャーも新たに加わっているような気がする。

(お母さんがオシャレすると叩かれるってのも
 これまたナンセンスなんだけどね!)

そして、
悩みを誰にも相談できない、今の現状。

すこしでも負の感情を表にだせば、叩かれる、
そんな世の中は、ちょっとおかしい。

(特に、ネットなどを観ていても、妊娠や育児に関しての
『おまえは最低の母親だ』バッシングはすさまじい)

叩いている方は、自分の正義感をむき出しにして
自分のいい人っぷりに酔うことができるかもしれないけれど、
それじゃお母さんたちをより追い詰めて、
何の問題も解決しないどころか、
虐待へと発展させてしまう可能性だって大いにある。


問題は山積みで、
私にできることは少ないかもしれない。

でも、私にできること。

キレイな「愛」の部分だけじゃなく、
生活の、心の、裏側にあるリアルな感情も、
しっかりと書いていこうと思う。

完璧な人間がいないように
完璧な親だっていないんだから。

あー、ダメだ、
重たいテーマについてきちんと書くには
今、時間がないのに、つい、熱くなっちゃうよ。


上の写真は、
先週MIKAちゃんが届けてくれた
小学館に届いていた読者の方からの
お手紙とプレゼント。

BABY & WORK のバランスつかめず
疲れて果てていた夜、読んだので、
嬉しくって嬉しくって泣いちゃったよ。

写真にうつっているのは先週分で、
その中にないお手紙もきちんと
すべて受け取っています。

メールもメッセージも、
ぜんぶぜんぶ届いています。

本当にありがとう。





読者ガールから頂いた、
ベビー服。

三日月とワンちゃん!!!


 ↑私のブログやエッセイを
読み込んでいてくれる
読者の方なら分かるよね♪ 
文章を通じて出会えた方たちと
いろんな想いを
心の深いところで
共有できていること、
本当に心強く思っています。ありがとう




さて。
一か月半お休みを頂いていた
連載小説「こぼれそうな唇」
今日から連載再開です。

あら。
寝ていたBABY BOY、
「ふにゃふにゃ」言ってるので、
ぜんぜんまとまりのないBLOG記事になっちゃったけど、
この辺で。














DARLING BOYと一緒に
BABY BOYをお風呂に入れた後。


ボサボサ髪の毛、
数日洗ってないし
体重まだ戻らずの
スッピン顔まるいし、



全然キマってないけど、
すっごく気に入っている1枚です。












| 12:54 | comments(75) | - | Posted by : LiLy

 里































 16で留学して、
 2年家をあけ、
 18で帰ってきて、
 20で自立した。

 それからは、
 家族と会うのも
 東京で、
 ということが多く、
 実家に帰るのはお正月くらいで、
 3連泊以上したことはなかった。

 実家はいごこちがいいけれど、
 そこはやはり両親の家。

 私の生活は東京にあって、
 どんなに小さくても
 東京のマンションの部屋こそが、
 私の家。

 家族。
 
 大好きだよ。愛してる。
 でも、
 この家族はお父さんとお母さんが
 つくったもの。
 私はただ、ここに生まれたの。
 
 家族。
 
 私もね、いつかつくるの。
 素敵な男と出会って、恋をして、
 結婚して、赤ちゃんうんで、
 ふたりでつくるの。
 お父さんとお母さんみたいに。
 つくるんだ、私も、私の家族。


 生意気言って、
 いっぱい暴れて、
 飛び出した。
































 一番大好きで
 一番近くにいる
 お母さんから遠くに、
 遠くにいきたくて
 自立して、

 一周まわって、

 私はここに帰ってきた。

 里。

 私の「ゆり」の里。

 私のふるさと。
 
 お母さんの近く。






























 一カ月間。
 
 里がえり。
 
 お父さんは海外赴任中。

 だから、お母さんと私。

 そして、赤ちゃん。

 お母さんから生まれた私と

 私が産んだばかりの子と、

 三人でいるって、なんか不思議。

 あたたかな時間。全身が、

 包まれるような幸福感。 































 BabyBoyと添い寝する、和室。
 
 泣き声で目覚め、
 おっぱいをだしながら、
 目にはいる、けしき。

 朝日がすけるショウジは
 とっても綺麗で、お母さんが買った300円の
 キリンのシルエットは、ウソみたいに可愛くて、
 フェフェと声をだしながらおっぱいを吸う
 わが子からは、甘くて優しい香りがして、

 眠たくって眠たくって
 くっつきそうになってる瞼のあいだで
 しあわせだなってぼんやりとおもった。



















 お風呂入れも、洗濯モノも、
 ぜんぶが、カワイイ。


 赤ちゃんがいる、生活。









 窓をあけたら見えた、庭に積もった雪。

 バンクーバーオリンピック。上村愛子。おっぱい。
 
 ハーフパイプ。腰パン問題。ドレッド国母。オムツ。
 
 Twitter。あじさい(お菓子)。週末ダーリン。xoxo.

 BLOG。コメント。ありがとう。読者ガールからのプレゼント。

 シュタイナー。ベイビーヨガ。東京事変。DJ AKAY.
 
 トレイーシーメソッド。骨盤矯正。リエ。絵本。アマリリス。

 ダイエット。チョコレート。Twitter。カオリ。クマさん。

 コンビニまでのHIPHOP。湯豆腐。野菜。エリ。しょうがでポ。

 しまむら。やおこう。マツキヨ。音楽エッセイ。Twitter。

 ハーゲンダッツ。マイナス8キロ。ダイエット。残り10キロ。

 お誕生日。薔薇。
































 2月10日。

 お母さんの56歳のバースデーの朝、
 サプライズで届いた、100本の薔薇。

 送り主は、私の夫。

































 玄関に飾ってあった
 薔薇の花束は今、
 何束にも分けられて
 リビングを、
 ぐるりと囲んでいる。

 飾ってある写真は、
 お父さんとお母さん
が出会った1970年に
 とられたNYC.

 それから
 ちょうど40年。

 2010年。

  ここでの
  一か月。

  思い出は
  永遠に。

  お母さん、
  ありがとう!

 





























 生後10日目。
 パーカDebutしたBabyBoy.

 あなたもいつか、私から逃げるようにして
 自立して、あなたの家族をつくるのかしら?



 きっと、
 そう遠くないその日まで、
 私あなたを
 いっぱい抱っこする。

| 15:13 | comments(69) | - | Posted by : LiLy