2010.08.05 Thursday
優しい言葉と天使の笑顔
記事を読んで、
泣きながら電話をくれた友達がたくさんいる。
妊娠中で、
どうしても記事が読めなかったという友達もいる。
私も、
いろいろと考えて、
考えれば考えるほど、
いろんなことが悲しすぎて、
泣きやむことができない。
気持ちが、沈んでしまっている。
この事件から、
今も続いている児童虐待の悲劇から、
目を反らしては、絶対にいけない。
でも、
真正面から見つめることで
自分の精神をやられてしまえば、
それは本末転倒だ。
*
自分の命に
かえてでも
守りたいと思う
誰より愛おしい
我が子を抱きながら、
自分と同じ母親が
子供を殺したという
ニュースを聞くのは、
耐えがたい苦しみだ。
理解しがたいからこそ、
気が、おかしくなってしまいそうだ。
でも、
私の想像力が、私を作家にしてくれた。
神さまが、私をお母さんにしてくれた。
今、私が、想像すべきは、
自分が一番理解できないと
思っている母親の気持ち。
そう思って、記事を書いた。
記事の中の言葉を
繰り返すことに
なってしまうかもしれないけれど、
私は、責任をもって
言葉を綴っているつもりだ。
だから、もう一度、同じことを
表現方法を変えて、伝えたい。
私だってもちろん、
彼女のしたことは許せない。
ほんとうに、どうして?って思う。
女として母として、
同じ人間として、
許せるわけがない凶悪な犯罪だ。
それを前提としたうえで、
この絶対に、
繰り返されてはいけない
犯罪を、どうにか防ぐことはできないのか。
それを、考えずにはいられない。
どんなに大きな心をもとうと頑張ったって、
結果としてこんなことをしてしまった彼女に
かけるべき「優しい言葉」は見当たらないよ。
でも、
その中で、わざと
あのような文章を使って書いたのは、
こんなことになってしまいそうな状態にいる
お母さんたちに対しては、
「優しい言葉」をかけてあげたいと心から思うから。
心ない批判ではなく
理解しようという気持ちと
最大限の想像力を持って、
思いやりの言葉を、
救いの手を、
さしだすべきだって
何度でも、何度でも、
私は声を大にして言いたい。
これからも、言い続ける。
軽蔑しないから。
理解したいって思う。
たすけたいって思う。
だから、
ほんのちょっとの勇気をもって、
悩みを口にすることを、
相談することを、恐れないで。
だって、
今回の事件に限らず、
自分だって、誰だって、いつ、
ダークサイドに足をとられて
その中に沈んでしまうか分からない。
その時に、
弱り切った心でも、
本音をスルリと吐き出せるような
友達が、家族が、誰かが、私は欲しいと思う。
だから、自分も誰かにとっての
そういう人でありたいと思う。
もちろん、
それだけじゃ解決できない
根の深い問題だけど、
まず、
身の周りにいる人を、ひとりひとりが
精一杯の想像力を持って、
理解しようとすることは、できるかも。
そして、私は、
作家として、
これからも、
私なりのやり方で、
恋愛に、SEXに、
妊娠に、
出産に、育児に、
悩んでいる読者を
言葉で支えて
いきたいと
改めて、強く思う。
命の尊さを
生きることの喜びを、
叫び続けていきたい。
もちろんそれだけじゃ足りないのは分かってる。
性教育の一からの見直しに、養子縁組システムの改善……。
今の現状に対して、疑問に思うことはいくらだってある。
でもまずは、私に、できるところから。
言葉は人を傷つけてしまう凶器にもなるけれど、
同じくらいの威力を持って、人を救うこともできる。
私は、言葉が持つ力を、信じている。
天国にいる人にさえ、
届くかもしれないって思っている。
亡くなってしまった
子供たちに寄り添う心で、
書いた最後の文章は、私の心からの言葉。
子供たちにむかって、
あなたのお母さんは悪魔だったんだ、
とは、私は、どうしても言いたくない。
こんなことになってしまったけれど、
あなたのお母さんがあなたに名前をつけた時、
きっと愛を込めて可愛い名前を選んだんだよ。
こんなことになって、
本当にごめんねって、何度だってあやまりたい。
何度あやまったって、足りないくらいの気持ちだ。
ほんとうにかわいそうで、
自分の無力さが、
ほんとうに申し訳ない。
だから、ね、分かるよ。
彼女が、
生まれながらの悪魔だった
と思いたい気持ちは痛いほど分かる。
でも私は、
彼女も、生まれた時は天使だった、
一度は、子供たちを愛したのだと、
そうであってほしいと、
どうしても、信じたい……。
真実は、そのどちらでも
ないのかも、わからない、
でも、
それらは
反対の意見のようで、
本当はどちらも
この悲劇に胸を心底痛め、
どこかに『救い』を求めたい。
その想い、ひとつなんだよね。
どこかに救いをもとめなめれば、
自分がおかしくなってしまいそうだから……。
私自身、
記事を書く前も、書いてからも、今も
いろんなことを考えれば考えるほど、
事件のことが頭から離れず、
かなり精神的にまいってしまっている。
母親の胸の痛みは、子供に伝わる。
私が泣いているのを感じたのかな。
まだ6カ月の息子が、泣く私に、
ニコッと、大きな笑顔をくれた。
ねぇ、本当に、
キレイごとなんかじゃなく、
真実として、子供は、天使だよ。
自分の子供だけじゃない、
すべての子供は天使だよ。
純粋で、美しく、汚れない天使。
テレビで報道されるニュースは
悲劇で満ちているけれど、
世の中には、その何百倍もの、
天使たちの笑顔で、あふれている。
私たちは、
そのことも、
忘れちゃいけない。
世の中は、
メディアが煽るほどには
腐ってなんかいない。
そう、私は信じている。
さぁ、前を向こう。
目を反らさず、
でも考えすぎず、
一度、深呼吸。
大人たちの笑顔なくして
天使たちの笑顔はないのだから。
今日も、空が青い。
美しい、真夏の空。
そんな
同じ空の下にいる、
あなたの一日が、
今日もどうか、
笑顔であふれたものに、
なりますように。