今月1日に創刊した、
『THE REALITY SHOW』。
ぜったいに手に入れたくて、
RESTIRまでベビーカーを飛ばした。
*
デジタル化の大波が押し寄せる中、
これから「出版業界」はどのように
カタチを変えて、進化してゆくのだろう。
私の、今、一番の関心ごと。
指に触れる紙の質感、
ページをめくる音……。
「本」という物体がくれる
すべてのジカンを愛してる。
でも、私は、
電子書籍にも大賛成で、
早くわたしの作品も
iPhoneアプリ化して
発売できないのかな、なんて思って
編集者に問い合わせてしまうくらい。
デジタル化の一番のメリットはやっぱり、
なんといっても、アクセスしやすいこと。
本屋さんに行くまでに、
または行っても在庫がなかったりで、
そのあいだに、
一度は作品に
興味を持ってくれた
私の読者になりうる方たちを多く、
失ってしまっていると思うと、
あぁーーーーー!!!
って、頭を掻きむしりたい気持ちになる。
『すべてのひと』に、
読んでほしいとは
まったく思っていない。
でも、一度『読みたい』と思ってくれた人には、
是非、ううん、絶対に読んでみてもらいたいって思う。
だって、情報にあふれるこのジダイの中で、
その人のアンテナに私の作品が引っかかってくれた。
その時点で、もうこれは、なにかの縁だから。
まったくの他人だったその人と、私は、
もしかしたら、そこから、作品を通じて
深いつながりを持てる関係になるかもしれない。
だから、極端なはなし、
立ち読みでもいいから、
読んで欲しいって、本気で思う。
でも、ここも難しい。
そこにきちんとお金も発生して
ビジネスとして成り立たなくなれば、
作家という職業も、出版業界も、
まるで存在していたことが
幻想だったかのように消えてしまう。
あ。
でも本当に、
これから一度、
消えるのかもしれない。
書き手の
著名と無名の境目がなくなり、
一度すべてがリセットされる気がする。
だって、
ブログができたことで
すべての人がライターとなり、
ツイッターが、
個人と個人のあいだに入るもの、
いわゆる広告代理店や出版社の
代わりの役割すら果たすようになった。
そして、
なんといっても、
両方とも、無料。
これからは、
現在ネット上で
無料な媒体やシステムの有料化が、
すこしずつ、始まっていくだろう。
その時、
文章で食える人間とそうでない人間が
また一から、分かれ、そこでごっそりと
著名と無名が入れ替わるような気がする。
ううん、違うな。
今までそこにピシッと
引かれていた太い線が、
消えてゆくと思う。
とても、ニュートラルになる。
これまで、
無名の書き手による
2chやブログでの文章が書籍化されて
新しい大ヒット作を生んだけど、
これからはキンドルが、
誰でも自分の作品を電子書籍化して
販売することを可能にしてくれる。
すばらしいことだよ!
誰もにチャンスがある!
本当にオモシロイ文章/物語が、
リアルな人々の目によって厳選され、
電子書籍としてヒットした作品のみが、
「本」としても発売されることになるかもしれない。
となると、
書籍化ハードルは、
今よりもグンとあがる。
それは同時に、
「本」の価値もあげてくれる。
「本」はわざわざ紙を使って、
カタチに残す、今よりもさらに贅沢なものとなる。
そうなれば、
本の装丁も、今はいろんな規定があって
斬新なデザイン(カタチ)を取り入れにくいのが現状だけど
そこも必然的に変わって、もっともっと自由になっていくだろう。
それこそ、丸いカタチをした本を、
つくることができるかもしれない。
想像しているだけで、ワクワクする。
だからこそ、作品を、
「電子書籍」と「本」、その両方で
発表することができる「作家」としての
生き残りに、サバイバルに、ものすごく燃える。
だってこれから、ますますおもしろいジダイだもん。
その中に、どんどん新しい作品つくって、発表していきたい。
いい作品を書く。
もちろんそれが何より大事。
でも、それだけではダメだ。
なにを、
どういうかたちで、
発信してゆくことが、
LiLyにとって、
ベストなのだろうか。
そして、これからは
どんな新しいカタチの媒体を、
つくってゆけばいいんだろうか。
うーん、うーん、うーん。。。
*
そんな中、
「紙に綴るブログ」という、
とても贅沢なひとつのカタチを、
『The Reality Show』が提案してくれた。
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The Reality Showは、
グローバル化と情報過多の時代において
カルチャーとアイデンティティを称え、
パーソナルスタイルと
クリエーション、
テリテージを支持する。
時代を映す一方で、それをも超越していく。
また、触れて楽しむ、
時代を超えて楽しむことのできる本の特徴と、
カット・アンド・ペーストという
インターネットカルチャーの側面を併せ持つ。
ストリースとスタイルの
ファッションポートレイト。
紙に綴るブログ。
デイリーライフを表現。
Get Up-CLOSE.
GET PERSONAL.
GET REAL.
THE REALTY SHOW.
−TRCより抜粋ー
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チーフエディターTIFFANY GODOYと
アートディレクター米津智之/FEMMEによる、
日本から世界へ発信するファッションブック。
『広告収益に頼らない
自由な表現の場』を目的に、1000部限定で、
自費出版というカタチで、ここに、あらわれた!
富永愛がクールに飾るカバーには、
厚手の高級紙が使われている。
実はそれは
三つ折りにされた、大きな1枚のポスターで、
それを広げると、中に、ブックが入っている。
5人の「人」× 5人の「デザイナー」による、
ファッションブックが、5冊、入っている。
「人」。
そう、肩書きでくくれない5人。
著名と無名、でもくくれない5人。
中でも、
雑誌のストリートスナップで目立っていた彼らを
1か月かけて探しまくって、出演交渉をしたという
双子の兄弟の登場には、おどろいた!
美容学校を卒業したばかりの、
無名の彼らのこのカッコよさに、
負けてしまう著名なモデルも多いだろう。
そして、みて。
彼らにつけられた、この、タイトル。
『BEAUTY SCHOOL KNOCKOUTS』
とても「今」な人選力と表現力に、
それこそTHE REALITY SHOW KNOCKED ME OUT!
構成はとってもシンプル。写真と文章。
インタビューはすべて、英語と日本語。
ウィットに富んだ、リアルな英語、リアルな日本語。
私が英語の先生なら、絶対にこれを、授業の教材に使う。
*
『最も強い者が生き残るのではなく、
最も賢い者が生き延びるでもない。
唯一生き残るのは、変化できる者である』
ーチャールズ・ダーウィン
流されることがない、
ジブンの中の1本の軸を基点に、
自由自在にカタチを変えて、進化してゆきたい。
流れてゆく、ジダイと、共に、おもいっきり、楽しみながら。