LiLy プロフィール
コラムニスト/作家
1981年11月21日生まれ
神奈川県出身
上智大学外国語学部卒
2004年 J-WAVE
ナビゲーターオーディション優勝
LiLy リアル
powered by ログピ
最新エントリー
Recent Comments
Archives
Feed

ジカン













たしかあれは、2002年。二十歳の初夏。


はじめて『Sex And The City』を観た。
はじめて一人暮らしした、高円寺の部屋のベッドの上で。

大学の帰り、バイト前の空き時間。

近所のレンタルビデオショップで、
「へぇ!ライターが主人公なんだ、私もライター(駆け出し)」
と手にとったそれは、まだDVDじゃなくて、VIDEOだった。

すぐにハマって、
ぜんぶそろえて、

今まで住んだすべての部屋で、
何度も何度も全エピソードを繰り返し観てた。

今わたしはこんな状況だから、ビッグとキャリーのあの回を。
エイダンとの別れのシーン、今なら気持ちがもっと分かる、もういちど。
サマンサが言ってたことってそういうことか、このシーズン見返そう。
ミランダっておもしろい、一番人間くさくて大好きだ、そう、この場面。
シャーロット、そのピンクのドレス、あぁとっても似合ってる。また涙。


そんな感じで、選曲ないし選エピソードしては、観返した。
セリフももうほとんど覚えちゃってるかも、ってそのくらい。

2000年代を、激動の20代を、このドラマと共に。
           そう言ったって、過言じゃないの。









そうして、2010年。二十八の初夏。


Movie版『Sex And The City2』。
試写会に呼ばれて、行ってきました。

ドレスコードはCarrie。

おなじくSATCマニアの
SLYのMizukiちゃんとと。

女友達ふたりで外出なんて、
出産以来。
メイクしている時から
ドキドキしちゃったよ。

映画がついに始まって、

シャーロットとミランダの
涙ながらの本音ママトークが
今の私にドストライクで、
鼻水まででてきちゃって、、
となりでMizukiも
泣いてるのが分かって、
余計にジーンときていた、

ら、その数分後、

うちのMizukiを見ててくれてる
My Momからの数回の着信が。。。

「大丈夫よ」ってメールが着てもまだ、
私はソワソワソワソワしっぱなし。。。

というのも、
夕方〜夜にかけての
眠いジカンに
私がいないと
私が帰ってくるまで
泣き続けるBaby Boy。

ほとんど24時間
毎日私とベッタリだから
なのかもしれないけど、
その泣き方ったら
ハンパじゃなくて、
My momもぐったり。。。
私はいつもダッシュHOME。

数時間でこれじゃあ、
私仕事にならないよぉと
でも早く早く抱きしめてあげたいよぉと
私まで泣きそうなキモチになりながら。。

この時も、ビックリした。だって、

「あぁ、
 大好きなSATCを観ながら、
 はやくエンディングロールに…
 と焦る日がくるなんて!!!!!」


でもね、
映画が終わったら、
Mizukiちゃんも
「息子が熱だして、
ママからメールが!!!」
って私と同じように焦っていて、

ふたりで急いでダッシュHOME。
だからふたりでとった写真もないの。


あらあら、と思ったけど、でも、
ジカンの流れを感じて、
私は、そこに、妙な感動を覚えたよ。






家に帰ったら、
Baby Boyは
眠っていて、
Momが帰り際、
「これ、あげる」
って、これくれた。

「NYにいたときに、
お父さんがプレゼントして
くれたものだから、
あなたにあげる」って。

母という
ひとりの女の中に流れる
彼女のジカン。


NYに家族で
住んでいたあの頃、
父と母は
男と女として
激動の時期を
過ごしていたことを
誰よりも知っているから

なおさら、グッときた。


ジカンという宝が
つまっている物こそ、
宝物。

この指輪が
記憶する
あなたの愛の
エネルギーを、
ありがとう。

大切にするよ。


                 *


二十五の秋に
デビュー作を出版して、
それから三年半。
十冊の本を出して、
結婚して母にもなった。

いっぱい笑った。
いっぱい泣いた。
すごく頑張った。
いっぱい笑ってる。
いっぱい泣いてる。
すごく頑張ってる。


だからね、








記念になるバッグ。
ベビーカー
押しながら
使える、
斜めがけバッグを
ずっと探してた。


夏至だった昨日、
boyと
お散歩していて、
やっとみつけた。



一目惚れ。




「どう?」

って見せたら、
キラキラの
スパンコールが
気になったのか、
両手をのばした
Baby Boy。

「これだ」。


二十五の時のFENDIバッグに続く、
わたしの二個目のマイバッグ。

By ANGEL JACKSON。
名前もピッタリ。







私のジカンをたっぷり含ませて
いつか、ダレカに、あげるんだ。








| 01:12 | comments(162) | - | Posted by : LiLy